pluralityの震え

Photographers

山田祐実 / 小山龍介 / かさいまこと / 加藤 心

Yumi Yamada / Ryusuke Koyama / Makoto Kasai / Kokoro Kato

2025.12.24(水)〜2025.12.29(月)

11:00〜19:00(初日は14:00から、最終日は17:00まで)※会期中無休

AIが人間の知性を超えるとされる「シンギュラリティ(特異点)」という予測は、世界を無数の独立した個人の集合として捉える発想に支えられている。だが実際の世界は、個の総和ではなく、多様な人々が編み上げる共同の織物である。そして個人の内部にさえ、相反し、重なり合う多様な顔が潜んでいる。オードリー・タンとグレン・ワイルは、こうした複数性を「プルラリティ(Plurality)」と名づけた。
本展では、このプルラリティを手がかりとして、四人の作家がそれぞれの表現を提示する。Yumi Yamadaは自身の代名詞である多重露光の手法を通じて、人物像の解体と再構築を試みる。小山龍介は、石垣島でのフィールドワークをもとに、社会と文化の重層的な構造を写し出す。かさいまことは、テクノロジーとアートの交差点に立ち、新たな応用可能性を提示する。加藤心は、絶えず変化し続ける心の襞を映像に定着させる。
四人のまなざしと実践が交錯するとき、会場は単なる作品展示の空間を超え、他者と出会い、関係を結び直すための場へと変容する。ここに立ち現れるのは、単一の答えに収束することのない、多声的で開かれた世界――シンギュラリティの彼方に広がる、プルラリティの風景である。

山田 祐実 
1998年神奈川県生まれ。2023年3月臨床心理学科卒。ADHDを含むニューロダイバーシティを視覚化し、人物像の解体と再構築を試みている。主な展覧会に「PUSH FOR CREATION」(天王町、横浜、2023)など。

小山 龍介
1975年福岡県生まれ。京都大学美学美術史卒。京都芸術大学特任准教授。博士(芸術)。リサーチに基づき、写真を通じて地域の固有文化をひもといていく。主な展覧会に、「和中庵を読む」(グループ展、2018、2019)、「Inter-Action あいだの力学」(グループ展、2023)。APA AWARD2024入選。

かさい まこと
1978年岐阜県生まれ。京都芸術大学 通信教育部在籍。ソフトウェアエンジニアとして創作を支えるツール作りに携わる傍ら、都市・私生活・巡礼における日常を主題に写真を撮り続けている。

加藤 心
2001年静岡県生まれ。2024年に横浜美術大学映像メディア卒業。日常の中で、ふと立ち止まる瞬間を追いかけている。

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