マイ／アワー ムーン / 岸 あいり

眠れない夜と眠れなかったすべての夜に。

真夜中よりも、もう朝に近いAM4:00過ぎ、遠くに浮かんだ白い月をみて「わたしたちの月」だと、思った日があった。

純粋に綺麗だと思ったその月をみて、「わたしたちの月」だと思った。

わたしに関係のないものだと思わず、自分の存在を淘汰せずに自然とそう思えたとき、布団のなかで眠れないまま朝を迎えたすべての時間を、やっと肯定できると思った。

どうやったって切り離せない自分自身のこと。これまで、孤独と呼ぶには自分自身の存在すら大きすぎて、鬱陶しくて、嫌になる夜があった。孤独すら手に入らないのかと思った夜があった。

それでも、そんな自分に救われることがあるから、ことばを残してちゃんととっておきたい。眠れなくても、月は今日もちゃんとある。

マイ、アワー ムーン。

これは、これまで眠れない夜に月の下で書いた、ことばたちの展示です。