DRACONTRAST展 / K-LINE / 佐野 藍

本展は、彫刻家・佐野藍と、キャラクター造形を核とするアートユニット K-LINE (EIZIN, Rady) による、素材と手法の「対話」を主題としたコラボレーションです。

佐野は大理石をはじめとする天然石を削り出す（carving）ことで、内に秘められた生命を露わにします。K-LINEはレジンや複合素材を積層・成形する（modeling）ことで、空想の存在に可視の身体を与えてきました。

石 ／ 樹脂、一点物 ／ 複製、素材色 ／ 着彩、重量感 ／ 透過性

相反する特性は、本来なら断絶を示す言葉かもしれません。しかし二者はそれぞれの生い立ちと制作の歩みの中で、同じく心を動かされた作品や文化に触れ、共鳴（シンパシー）を共有してきました。違いは溝ではなく、互いの表現を際立たせるコントラストである -その確信が、本企画を生みました。

会場では、ドラゴンというモチーフのもと、両者が互いのキャラクターへ応答する新作と、各自の代
表作を並べます。「削る」と「組む」のあいだに生まれる緊張と融和、その境界に立ち上がる新たな造形のかたちを、どうぞご体験ください。

●Profile
K-LINE｜Character Sculptor & Designer / Kemono Art Unit
EIZINとRadyによるケモノアートユニット。デジタル／アナログを横断しながら、レジンや複合素材でキャラクターをモデリングする手法を展開する。着る彫刻、フィギュア造形など多様なメディアで“リアルとファンタジーの接点”を可視化し、国内外のファンとケモノ文化圏をつなぐ活動を続けている。

佐野 藍｜Sculptor（彫刻家）
大理石などの天然石を素材に、カービングによって内在する生命を掬い上げる彫刻家。硬質な物質にやわらかな息遣いを宿す造形で注目を集め、国内外の展示に参加。ドラゴンや空想生物をモチーフとして、現実世界での経験や事象を形にする事を命題としている。